ハヌマーンというクズな世界観バンド。

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最近はとある出会い系アプリでメッセージ交換をした方に教えてもらった、ハヌマーンというバンドばかり聴いています。偶然の出会いにとても感謝しています。

初めて聴いた時の印象は何だこれ? 変なメロディだな?という印象でした。

ちなみに聴いたのは猿の学生という曲。

表面だけを聴けば、特に好きにもならないだろうな、というメロディライン。

色々なところで紹介されているフレーズ。

空間を切り裂くような緊張感を持つ演奏と、普遍的なメロディをハイレベルで融合させた­楽曲、そして、瞬時にフロアを支配する存在感と高い演奏技術で構築されるライブパフォ­ーマンスを武器に、大阪を中心に活動している”ハヌマーン”。

2011年に解散しています。久々に、ここまで感動したバンドに出会えたのは、既に解散して数年経ったあと。非常に悔やまれます。もっと早く知っていれば。

確かな演奏技術を基盤にした、独特の世界観、特にバンド自身が公言している通り、歌詞がとても魅力的。

タイトル通り、世の中への倦怠感、自己のどうしようもないクズ感、他人への嫌悪や羨望、それらを的を射た皮肉とウィットに富んだ言い回しで風刺しています。

決してKANA-BOONやワンオクやゲス極のようにキラキラしたバンドではなく、斜に構えた感じ。極みと吹聴する本家のゲスより余程ゲスな世界観です。

自分の考えていることとか、空気感がここまでピッタリくるバンドには初めて出会いました。

“それでもまだ人間でいたくて 彼等の理不尽さも 品性の無さも受け入れてかなきゃ” -「幸福のしっぽ」より

毎日電車に揺られて仕事に行くけど、そこでうまく馴染めずなんとなくダルい日常。人間ってなんだ? 生きるってどういうこと? なんで俺生きてんの?って思いながら、なにもかもめんどくさくなって、適当に生活して、それでも幸せになりたくて、口を開けて幸福を待ってる。それでも生きるっていうことは、人間らしく在るっていうのは、日々の生活を、1日1日を噛み締めるように歩いていくってことなんじゃないかな?

そんなメッセージが込められてるのかなと、勝手に思っています。

とても分かり易い、鮮明なメッセージです。

ハヌマーンはどの曲も、気怠い日常を歌っています。キラキラしている人たちには分からない、分かられたくもない、でもそういう人たちが羨ましくって、なんか死にたくなる。

こんなことをダイレクトに歌った曲が猿の学生です。

ああもうそのテンションがダルい。何でそんなに何も考えずに楽しめるの? 猿みてーだなお前ら。っていう曲です。

パチンコの醜さを歌った曲がfever believer feedbackって曲です。代表曲です。

この曲を初めて聴いて、衝撃を受けました。

もちろん、取っ掛かりとしてのサウンドも秀逸。えっ3人なの?ってくらいの厚みと手数の多いドラム。切れ味鋭いテレキャスの音。あっ、この人たち上手いな。すげえ。ってのが率直な印象でした。

更に、歌詞を追ってみると、これがまた切れ味鋭くパチンカスを風刺した曲であって。

大好きなフレーズがたくさんありすぎて、次から次へと鳥肌の波が押し寄せる感覚になります。

“苛立つ常連尻目にして、一見さんが得手してフィーバー
インターカムの邪推に幻滅 「この後、春でも買うんかいね」”

“「通行の妨げですどうか…」腐敗した魚群に笑って警告
腹いせに彼らが投げていった 火の付いたままの匙を拾って”

“あくまで自分はモラリストみたいな顔して
話は騒音で、聞こえもしないのに頷いて笑う”

“365回転して、当たりもせず文無しになってく
かくいう俺の暮らしも大概、彼らのソレに酷似している”

– 「Fever Believer Feedback」より

店員さんの視点のこの描写。パチンコをやらない人には分からないかも知れませんが、魚群というのはCR海物語シリーズの大当たり示唆の演出です。この機種は年配層に人気で、老人パチンカーの代名詞みたいなもんです。年々複雑化するパチンコ機種の中にあって、これ以上ない単純さがロングセラーの秘密の機種です。

そんな機械のクソみたいな魚の群れを見るためだけに、サンドに諭吉を次から次に突っ込んで、バカなの? って内心思いながら、満点の笑顔で「邪魔だよ」を婉曲してお伝えする。感づいたバカは火のついた煙草を投げ捨て、また満点の笑顔でそれを片付ける…

自分はこんなクズとは違う…なんて思いながら爆音の店内で内容なんて殆ど聞こえないけど、満点の笑顔で客の応対…

そんな自分も、同じように財布の金を全部「刻んで」一文無しで、クソみたいなアイツらと同類だよなぁ…っていう自嘲で締め括る、そんな曲です。

元パチンカス、元店員の自分は、痛い程に共感できた曲、だからこそ、衝撃を受けた訳です。

聴けば聴くほど味が出てきて、聴けば聴くほどその鋭い皮肉の魅力に嵌っていく。

本当に、生の演奏を聴けないなんて、哀しすぎる。そんな後悔を胸に、今日も聴いています。

 

 

 

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